松本 隆 の「自然のままに」

宮崎で日本共産党の活動をしている松本隆の記録です。

科学者の良心を貫いた「反原発」の安斎育郎さん

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 9月8日にみやざき九条の会主催で「憲法9条と原発」と題して安斎育郎講演会が宮崎市民プラザであり、400名が参加されました。

 安斎さんは、まだ日本に原発がなかったころ、国が原子力推進のため作った1960年の東大工学部原子力工学科の第1期生、15人の1人でした。東大で助手になったものの「反原発」の立場だったために、主任教授が研究室のメンバーに「安斎とは口をきくな」と言って嫌がらせを受けてきたそうです。研究室に東京電力から一時研究室に研修にきた人は、「安斎さんを偵察する係りでした」と告白したそうです。その後、立命館大学の教授になり羽伸ばしてやれたようです。

 たしか30年近く前、安斎さんが東大助手のころ宮崎にも講演にみえていて、若かった私は話を聞きに行った覚えがあります。安斎さんは、「全国各地での講演で何を言っているのか監視するために、研究室から派遣された人物がいて、同じ列車に乗っていた」と当時も話していました。真理に忠実で信念を曲げずたたかう、これが本物の科学者、学者だと当時思いました。

 さすがに話は飽きさせず、手品を交えておもしろい。人は何につけてもだまされやすいと話します。大学の先生でこんなにおもしろい人はめずらしいのでは。原発関係は御用学者が多い中で、安斎さんは貴重な存在です。これから原発問題で長期間格闘せざるを得ないなか、大事な人です。

 安斎さんがわかりやすく語っている『原発事故の理科・社会』(新日本出版社・税込650円)という本がありますのでおすすめします。数時間で読める本なのでありがたい。